マンマル
街がゆっくりと姿を変えるころ
あなたは顔を出す。
そうね、今日は機嫌がいいみたい。
ふわふわ優しいお友達も今日はいないのね
最近は話す人が減ったって?
そうかもしれない、だってきみよりも遠い場所の人と話してるらしいから
それが幻想だとも知らずにね。
それは滑稽だけど仕方ないの。
この世界には色々な決め事があって、時間は一定に過ぎてることになってる
あなたも一定の時間軸に沿って形を変えてることになってるのよ
機嫌とか、感情とか、そういった不安定なものが混じってる
それは少し面倒でしょう?
マルマルなきみが本当は真ん丸じゃないだとか
街の明かりは汚いものを隠してるとか
そんなことは重要じゃあなくて
もっともっとあなたと話がしたいんだ。
マンマルなきみが本当は真ん丸じゃないだとか
明日の降水確率とか
そんなくだらないことじゃあなくて
もっともっとあなたの言葉が知りたいんだ。